荒井耕研究室のサイトへようこそ!

一橋大学大学院商学研究科、荒井耕研究室のサイトへようこそ。荒井研究室では、医療の管理会計をテーマとして、バランスド・スコアカード(BSC)や医療の原価計算に関する研究を行っています

研究報告書「医療法人の事業報告書等を活用した『医療経済実態』把握の有用性」を公開しました(2017年10月8日改訂)
 
一橋大学広報誌HQで本研究室が紹介されました

最新情報&更新情報

2018.5.31 各種情報を更新しました

2018.2.9 各種情報を更新しました

2017.10.8 研究報告書の9月8日版に追加的な分析結果等を追加した 10月7日版を公表しました。

2017.9.10 研究報告書を9月8日修正版に改めました

2017.8.28 各種情報を更新しました

2017.8.24  研究報告書を公開しました

2017.5.6 各種情報を更新しました

2016.10.18 各種情報を更新しました

2016.7.7 一橋大学広報誌HQ51号(夏号)で荒井教授のインタビュー記事が掲載されました

2016.7.7 各種情報を更新しました

2016.1.26 一橋大学広報誌HQ49号(冬号)で本研究室が紹介されました

2016.1.26 各種情報を更新しました

2015.7.1 病院管理会計研究会についての情報を掲載しました

2015.7.1 業績の更新を行いました

2015.6.15 荒井耕教授が、厚生労働省の中医協委員(公益委員)に任命されました

ご挨拶

従来、管理会計領域では、製造業を対象とした研究及びそれに基づく教育が中心を占めてきた。しかし今や、金額ベースでも従業者ベースでも、サービス産業(非製造業)の産業全体に占める割合は、製造業よりもはるかに大きい。また従来の管理会計研究・教育は、基本的に企業(民間営利組織)を対象としてきた。しかし社会における公的組織や民間非営利組織の相対的重要性(社会的関心・国民経済に占める規模)の高まりとともに、こうした公共・非営利セクター(その大部分はサービス提供組織)の管理会計の必要性も高まっている。こうした中、荒井研究室では、公共系サービスの中核領域の一つである医療分野に焦点を当てて、その管理会計について研究している。

どの時代でも程度の差こそあれ医療機関でも管理会計は必要とされてきた。財務・効率性面に偏重した伝統的な経営指標による管理は、少なくともなされてきた。しかし特に21世紀以降、診療報酬の継続的な強い抑制政策や在院日数短縮政策、質が高く効率的な医療への要求の高まり、機能の分化と連携という経営環境下での戦略的経営の重要性の高まりを背景として、費用対成果の高い医療サービスの提供のために、管理会計の重要性が極めて高くなってきた。しかも、BSCや価値企画への高い関心と実践に顕著なように、多様な業績を同時統合的に管理する仕組みとしての管理会計が、注目を集めるようになった。

また、事業多角化医療法人の増加も、管理会計の重要性を高めている。なぜなら、多角化法人では経営の複雑性が増し、また従業員規模も大きくなり、トップによる集権的経営が困難となり、現場への権限移譲を進めざるをえない。また制度環境に迅速に適応しつつニーズに柔軟に対応するためにも、法人としての大きな方向性の中での各現場の自律的な経営が重要となっている。こうした現場への権限移譲に伴い、トップは現場の業績を把握し、現場に経営の自律性を働きかけ、また現場に期待する方向性を明確にする必要性が増している。そのため多角化法人では、管理会計がもはや不可欠となっているからである。

筆者が医療分野の管理会計研究を始めたのは90年代半ばであるが、21世紀以降のこの分野の重要性の高まりにはすでに著しいものがある。しかし、厳しい診療報酬抑制環境や経営多角化傾向は今後も続き、質が高く効率的な医療への要求や機能の分化と連携の必要性もさらに高まると予測されるため、増々管理会計の重要性は高まるだろう。管理会計の整備とその有効活用に、医療機関の生き残りがかかっているといっても過言ではない。また、国家及び医療圏レベルにおいても、財務的根拠に基づく医療政策・診療報酬制度や質が高く効率的な医療及び機能の分化・連携の推進を図るために、共通原価計算や連携BSCといった手法の必要性がかつてないほど高まりつつある。

一橋大学大学院商学研究科
教授   荒井 耕